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フルカスタムの
ウクレレ製作に挑戦! その8



自作その6で使ったカーリーメープルの残りで、同じ型のウクレレを作ってみた。
しかし、完成までまる一年以上……当初は、『手を抜かずに作るぞっ』とか考えてたんだろうけど(忘却の彼方)、一年も経てば『多少手を抜いても、完成させることが大事っ』てなことになって……

今回使った材料です。
ボディ
   サイド   メープル
   トップ   メープル
   バック   メープル

ネック、ヘッド  メープル

指板       パオロッサ

ブリッジ     ブビンガ

ナット      人工大理石

サドル      人工大理石

ペグ       ゴトー

ブレーシング   桧


ボディを完成させたまま、ほぼ一年も放ったらかしになっていたAAAグレードのカーリーメープル。一念発起してネックを作り、いよいよ完成!
ボディ形状は前に作ったメープルの一本と同じだ。この形はオーソドックスなものだが、結構気に入っている。
サイズはソプラノだ(って、ソプラノ以外、作ったことがない)。
ブレイシングは、今回もちょっと遊んでいる。
バックはフツーだが、トップは左右非対称(なんて呼ぶんだろう?)になっている。サウンドホール周りには、朴材の補強板を張っている。
バックとサイドを接着。
ライニングは、バック側がソリッド、トップ側がカーフドになっている。最近、このパターンが多いかな。
サウンドボックスを閉じる前に、サイドとバックの内側をクリヤーラッカーで軽く塗装、ラベル貼りも忘れずに。
ラベルの日付は『Sep. 2007』今は――2008年08月。きっと作り始めは去年の春頃だろうなあ。
――ボディを組んでから、はや一年――
ネック材の加工に取りかかる。前にも書いたかも知れないが、私はネック作りが結構嫌いだったりする。だって、面倒だから……。
工作が『面倒』とか言ってる輩は、ウクレレ欲しけりゃ店で買え、ってか。

約14度の角度で切る。まあ、適当だけど。切ったら、ヘッド側は厚みを10mmまで薄くする。切り口も平面を出す。――ほら、面倒でしょ?

以降、ネック加工の写真なし。
ネックの穴開け。危うく忘れるところだった。まあ、忘れたままボディと結合することは無かったと思うけど。
今回は8mm径の貫通だ。
指板には、パオロッサを選択した。前回は黒檀を使ったが、少し薄めの色の方が私の好みだ。――とか、尤もらしい理由を付けたが、手持ちの材の都合に他ならない。
材はホームセンターで買った厚さ5mmのもの。これをいい気になって削っていたら、厚さ2.5mmになってしまった(3mmで止める予定だった)。
スケールは380mmと、前回(400mm)より少し短い。

フレットの加工は慎重に。って、失敗続きだけど。
ウクレレ程度のスケールだと、僅かな位置ズレでフレット音痴になってしまう。見てくれがボロでしかも音痴じゃ目も当てられなくなる。せめて音程だけはカスタムメイドらしくしっかりさせたい。
三役そろい踏み。ここまで来ると、先が見えてくる。
※ペグ穴を開け忘れている(^_^ゞ
ボディとネックが合体! ようやくウクレレの形になる。
指板、合体!
ブリッジ、合体!
ブリッジは、ブビンガというアフリカ材だ。これも手持ちの材料の都合で選んだ。弦を結んで留めるタイプ。
ナットとサドルは今回も人工大理石だ。これは加工しやすく、気に入っている。
塗装は、水性ニス(メープル色)を刷毛塗りした上に、スプレーラッカーだ。
ニトロセルロースのクリヤーラッカー。今まであまり塗料の素性を気にしていなかったが、今回は木材に一番合いそうなニトロセルロースのものにした。
ニトロセルロースは植物由来の物質だ(今時は化学合成かな?)。

完成
向かって左が今回の一本、右はフルスクラッチその4(自作6本目)だ。スケールは左が20mm短く、指板は右が黒檀、左がパオロッサだ。ブリッジの大きさも大きくなっている。
以降、各部の写真です。
弦は無難にGHSの黒弦。
ポロンと弾いた感じでは、かなりボディが鳴っている印象だ。同じメープルでも前回とはぜんぜん違う。
やはりプレーシングの違いが大きそうだ。今回はサウンドボックス内部を塗装してあるのも影響しているかも知れない。
内部の塗装は、木材の乾燥を遅らせる(だろう)から、善し悪しはあると思う。
ヘッドは、ツキ板を張るかどうか迷った結果、そのままで行くことにしたのだが、まあまあ、かな。
裏を見ると、ビミョーな杢の模様が見て取れる。
ネックとボディの結合部。パテ埋めの必要がないくらいには出来ていると思う。
ヒールには、指板と同じパオロッサを張ってみた。
サウンドホール周り。パーフリングはイマイチ。
それ以上に、塗装がイマイチだ。
バックは、こんなです。カーリーメープルは美しいです。
ブリッジとサドル。
サドルは両面から削って、弦毎に弦長を微調整してある。そのせいか、各弦とも12フレットとハーモニクスのズレがほとんど無い。

指板を2.5mmまで薄くしてしまったため、これだけサドルを低くしても12フレットでの弦高が3.5mm程度ある。本当は3mmまで下げたかったのだが。ちなみに、1フレットでの弦高は約0.5mmと、予定通りに出来た。
ニトロセルロース塗料は、硬化が速く硬度も十分にありそうだ。が、やっぱり塗装技術に問題あり、だ。

現段階では音質、音量とも満足のいくものだ。ただ、ウクレレの音は完成後もしばらくは変化していくので、落ち着くまでは何とも言ない。
ただ、あまりボディが鳴らなかった前作(六本目)とは明らかに違う性格のようではある。このまま各弦のバランスが取れていれば良いのだが……

私は見ていないが、2008/08/07の『笑っていいとも』のテレフォンショッキングのゲストCHAGEさんが、ウクレレを持ってきたらしい。それがティーズギター製のTMS-220だったそうで、カミさんが見ていて、スロッテッドが気に入ったみたいだ。
しかし、作れと言われても簡単には出来そうにないぞ。
そろそろコンサートかテナーサイズの一本を作ってみたい気もする。型から作らなきゃならないのが、面倒なんだが。それに、ホームセンターの朴材じゃサイズが足りないし。



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