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フルカスタムの
ウクレレ製作に挑戦! その3



カマカチックなボディシェイプでフルカスタムを2本作った後は、ちょっとボディのデザインを変えてみました。FamousやMartinを縦に少し引き延ばした様な形です。
一本目のフルカスタムを朴とアガチスで作ったので、今回の主材料は朴のみにします。朴材はDIYショップで手に入りやすく、加工も比較的簡単、その上安価です。これでちゃんとした音が出れば、カスタムメイキングの入門用にピッタリの材種だと思います。
さて、そういう訳で、今回のコンセプトは、ズバリ『朴材』、そして『ロングネック』です。
今回も製作過程を写真を交えて適当に紹介します。

今回使った材料です。
ボディ
   サイド   朴
   トップ   朴
   バック   朴

ネック、ヘッド  朴

指板       パオロッサ  5.0mm厚

ブリッジ     パオロッサ

ナット      人工大理石

サドル      人工大理石

ペグ       グローバー

ブレーシング   桧


モールド
二枚のベニヤにスペーサーを挟んだ、簡易型モールドです。ベンド済みのサイドが挟んでありますが、こちらは並行して作っているマホガニーバージョンです。
サイド
朴材バージョンはこんな感じです。厚さは購入時の3mmのままです。朴材は曲げやすいのでこのまま行っちゃいます。少しでも軽くしたいという場合は、薄くして下さい。
サイドを貼り合わせたら、シェイプにあわせて余分を切り落とします。
なんだか随分汚れていますね。ベンディングアイロンにマホガニーの色が残っていたようで、それが移ってしまいました。朴の木地が台無しです。
外側をサンディングしました。見られるようになったでしょう? 内側はどうしましょう……
トップ、バック
某公共放送の教育チャンネルで、ストラディバリウスの秘密を探る番組を放送していました。この中で、ストラディバリウス研究の第一人者のナグバリー教授が、ニスに含まれていた防虫成分が木質を硬化させるという説を述べていました。その成分は、BORAX、日本ではホウ砂(ホウシャ)と呼ばれ、よく高校の文化祭などで化学部がスライムを作るときに使われる成分です。
ニスに含まれたわずかな成分で、どれ程の効果があったのかははなはだ疑問です。
が、今回の材は、ホウ砂水溶液に浸してあります。いや、気持ちの問題ですけど。
朴材です。
厚さは約1.8mmです。
サウンドホールを開けます。今回はパーフリング無しなので、溝掘りはしません。なんでパーフリングが無いかというと、パーフリングに適当な材料が無かったからです。
ボディの組み立て
今回は、トップを先に接着します。まだブレースは着けません。
写真の通り、トップ側にはライニングがありません。サイドが3mm厚なので、トップもバックもライニング無しで行けそうです。が、バックには朴のライニング(これも3mm厚)を張ってあります。
トップのブレースを接着します。今までは先にブレースを着けてからトップとサイドを接着していましたが、今回は順序を変えています。
さらに、ライニング代わりの補強コマを接着します。
バックです。当然ですが、こちらはボディを閉める前にブレースを接着します。ラベルも貼りましょう。
バックも接着します。StewMacから購入したクランプを使用。でも、輪ゴムと重石で十分な気が。
ヘッド、ネック
ネック材も、朴です。少し柔らかいですが、今回は朴であることに意義があるんです。
いつものように約14度でカット、接着面を平らに加工します。
私はネック+ヘッドを作るのが結構キライです。だって面倒だし、なんか地味だし。
ずれないように接着するのは、毎度苦労します。これからウクレレを大量生産する人は、治具でも作っておけば少しは楽になるかも。
接着、面の整形まで出来たら、外形線を引き、糸鋸なり手鋸なりで切り出します。
その後、ナイフ、ベルトサンダー、サンドペーパーなどを使って形を整えていきます。
完成です。
今回は10mm厚の板を使ったので、ネック部は貼り合わせて厚みを増しています。ヒール部にも朴材を使いました。
ヘッドはこんな感じ。今回もペグにはグローバーを使うので、穴は5mm/8mmの二段です。穴の位置がビミョーにずれてる? 気にしなければ判りませんて。
ボディとネックの結合
ボディとネックが揃いました。
よく見ると、茶色のバインディングが。DIYショップの建築資材売り場で見つけた、樹脂製のモールドみたいな物からバインディング材を切り出しました。またまたサンドペーパーの掛けすぎで、少し伸びて切れてしまいました。なかなか上達しません。
合体させます。ネックが長いので、ちょっと大変です。
接着強度は圧着力が高いほど強くなるようなので、ここは頑張って何とかします。傾かないように注意しつつ……
フィンガーボード
DIYショップで手に入れたパオロッサ5mm厚です。スケールは400mmと長め、ほぼテナーサイズでしょうか。今回は14フレット継ぎの18フレットという仕様です。
が、しかし。今回もフレットボードには悲しい逸話が。
本来は3mm厚のチークのはずだったフレットボード。いつものようにピラニア教で溝を切り、フレットワイヤーを打ち込むと、当然のように反り返る。それでも何とかワイヤーを打ち、両端を処理し、角を丸め、やれ完成、と思ったところでボキッと……。真ん中から折れてしまったのでした。
そういう訳で、いよいよピラニア兇飽導を渡し、ホームセンターを行脚の末に刃厚0.4mm、切削幅0.6mmの鋸刃を手に入れたのでした。
作り直したフレットボードはこの鋸刃で溝を切り、勿体ないのでチークに打ったフレットワイヤーを回収してそのまま使っています。何とかなってます。
塗装
今回は、薄い赤にしようと思っていたら、カミさんからクレーム。出来が良かったら自分用に分捕るから、色はナチュラルにせよ、と。
朴は色が薄いので、ペインティングも楽しそうだけど、今回の材は少しカールが出ているので、カミさんのリクエスト通り、彩色なしとしました。その代わり、ハワイのシールを貼ってみることにしましょう。
写真は、塗装から仕上げに使ったブツです。右から、下塗りのサンディングシーラー、クリアーラッカー、#2000のサンドペーパー、最後は『青棒』。青棒は、金属用の研磨剤で、これを布に塗って磨くと、あーら不思議、ピカピカに。(私は、手を抜いて電動工具でバフ掛け中に、工具をボディに当ててしまい、傷を付けてしまいました)。
勿論、これ以外にも各番手のサンドペーパーなども使用しています。
今回も、フィンガーボードとブリッジを接着する前に塗装します。フィンガーボード部はマスキングして。ブリッジ部は、後で塗装を剥離剤で剥がします(失敗した。マスキングテープの選択を誤りました)。
ヘッドには、ピンクのハイビスカスのシールを貼っています。本当は、ボディにも別のシールが貼ってあったんですが、ブルーのシールが塗料で収縮してしまい、大失敗でした。結局、ボディのシールは剥がして塗装のやり直しです。シールは完成後に、塗装の上から貼ることにします。
ブリッジ、ナット、サドル
どれにしようかな、と。ブリッジには、パオロッサの物と黒檀の物を作ってみました。パオロッサは、フィンガーボードの端材で作っているので、そのままでは厚みが足りず、二枚重ねにしてから厚さ調整しています。
で、結局、フィンガーボードに合わせて、一番左のパオロッサの物に決定。実は、今回使用したブリッジは、失敗作のリカバリー品なんです。だから弦のかけ方が違うんですねぇ。
ナットとサドルは、人工大理石のコーリアン(R)(Dupont(TM))乃至はそれの類似品から作ります(私が手に入れた物の商品名は不明です。何しろ、端材ですから)。
端材が安く手に入ったので、ラッキーでした。ただし、象牙色ではなく、白色です。
コーリアンは加工性に優れ、見た目もプラよりは良さそうだし、お勧めです。色や模様のバリエーションも多く、お好みで大理石模様のナットも作れます。
私の自宅付近のDIY店では、三軒回ってその内の一軒に置いてありました。ベナーロ ホワイト(VW)やベナーロ ビスク(VBI)なら、象牙っぽくて良さそうですが、残念ながらありませんでした。
完成
まだボディにシールは貼っていませんが、ペグ、ナット、ブリッジ、サドルを取付け、弦を張り、音が出るようになりました。マーチンのクリスタルナイロン弦を張っています。スケール400mmで、結構ぎりぎりの長さでした。
まだ塗装も完全には乾いていませんが、音はとても良いです。これは『想定外』ってヤツです。
塗装は厚塗りのピカピカです。
四号と比べると、首の長さが目立ちます。四号のスケール350mmよりも50mm長くなっています。ボディ形状も違います。
完成までに半年以上も掛けたくせに、今回もまた失敗の多いウクレレ作りでしたが、それだけ勉強になりました。失敗はまた次に生かしたいですね。







ヘッド部。夏に東急ハンズのハワイグッズコーナーで見つけた、シールを貼っています。
青色のシールは塗料で変質してしまったけど、これは大丈夫だった。
バインディングは、壁などのコーナーガード用(?)樹脂から製作しました。セルの質感とは違うけど、耐衝撃性ではむしろこちらの方がベターな感じ。
お尻はこんな感じ。バインディング材を入れてみました。
ブリッジとサドル。ブリッジは、弦を引っかけるタイプではなく、結ぶタイプです。結び方が汚いですね。フライマン失格です。もう少しブリッジに厚みがあった方が良かったです。削りすぎました。
ボディにもシールを貼りました。
青い亀と緑の葉、それに"Hawaii"の文字です。ちょっと控えめ。






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